涼宮ハルヒの内藤列伝 (28)
長門は噛みつき終わると朝比奈さんから離れ、何事もなかったかのように無表情で元の位置へ戻り、再び本を読み始めた。一方、朝比奈さんは小さく震えて泣いていらっしゃる。そりゃそうだ、戦闘中に突然味方に襲いかかられたんだ。しかも薄暗い洞窟内で、襲いかかってきた相手は全身黒ずくめの能面死神少女だ。年端の行かない子供ならば失禁レベルの恐怖だろう。これが朝比奈さんにとってのトラウマにならないことを願いたい。それにしても朝比奈さんに突然襲いかかるなんて、長門は一体何のつもりなんだ?朝比奈さんに何か恨みでもあるのだろうか?
そういえば何か忘れているような気がした。そうだ、狩人オークはどこに行ったんだ?あたりを見回してみると、そこには先ほど倒れたままの狩人オーク。それはそのまま動かなかった。そして、朝比奈さんが顔を埋めていた地面には焦げたような痕跡、そこから立ちのぼる一筋の白い煙。念のためにログを確認してみても何も無い。何が起こったのかよく解らないが、とりあえずオークは撃破済みだったようだ。
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